海外に出られない今、僕たちは何をやるべきか?【withコロナを考える】

原さん対談7 アイキャッチ 国際協力

フリーランス国際協力師こと原貫太氏とSocial留学代表の野中柊平による定期対談企画の第7弾。

5月18日に、『緊急事態宣言の中、フリーランス国際協力師と若き経営者は何を思う』というタイトルで対談を実施しましたが、まだまだ収束に程遠い状況が続いています。

本記事では、改めて海外に渡航できない状況が続く中で、どのような意識を持って国内での生活を送っていけば良いかということについて語っていただきました。

コロナと仕事

原さん対談7-1 

 原:よろしくお願いします。コロナウイルス収束の見通しがつかないまま、夏が来ちゃいましたね(笑)。

 野中:本当ですね。分かっていたとはいえ、気分は良くないですね。原さんは、何かご意見ありますか?

原:ワクチンの普及が鍵になるのは間違いないので、従来のような人の移動が可能になるのは、最短でも来年の秋以降だと個人的に考えています。

野中:同意見です。一方で、政治的な要請から、外国人の受け入れを開始した国も増えていますよね。しかし、この状況で渡航すると、コロナに感染しなくても別のトラブルに巻き込まれたときに、通常よりリスクが高いことは否めない。

原:確かに、病院の受け入れ体制ひとつとっても、影響は免れませんね。渡航が不可能という状態ではないので、個人的には仕事のことを考えると、年明けの状況をみて来年はアフリカに戻ることも考えています。野中さんはいかがですか。

野中:留学事業は他人を送り出す行為なので、先ほどお話ししたリスクを考えると当面は再開できません。少し粒度の違う話になりますが、現在の状況は留学生の行き来も含めて、世界の人々の相互理解という側面において不安ですね。

原:僕の活動は、詰まるところ海外ボランティアと同じなので、不要不急だと言われてしまえばそれまでなのですが、継続的に関わり続けている実績と立場があるので、仕事として主張できると考えています。ただ、少なくとも今年は日本でやれることをやっていくつもりです。

海外渡航の夢、キャリアが断たれた人へ

原さん対談7-1

野中:そういえば、青年海外協力隊も今年は見送りになっていましたね。学生のように期限が決まっている状態で、思い描いたキャリアが一時的に絶たれている方に、原さんならどのように助言しますか。

原:期限が決まっているという考え方をしないでくださいと言いますね。もう一年休学しても良いし、どこにも所属せずにバイトで稼ぎながらスキルをつけても良いと思います。

野中:また元も子もないことを言いますね(笑)。僕たちはそういった考え方ができますが、当事者である学生はこの状況でそのマインドセットを持つこと自体が難しい気がしませんか。

原:確かに(笑)。考え抜いてようやく出した第一歩が、海外渡航だった人には酷な状況ですよね。僕たちはすでに経験して、やるべきことが明確だからこんなふうに言えるだけで。

野中:方向性が決まってきて、やっと踏み出そうとしたところを挫かれた人には厳しい状況だとは思いますが、やっぱりそこで諦めずに置かれた状況でどれだけやれるかってことになっちゃいますね。

原:うん。ただ、僕も元々このマインドセットだったわけでなく、精神的な病気になったり、失敗を繰り返しながら今のマインドセットになったので、それぞれの逆境や苦難ということで考えると、コロナウイルスだけを特別扱いする気にはなれません。

野中:逆に、コロナが起きたことで安定志向の人が増える可能性はありますよね。とりあえず、どこかに所属することを望む人も増えそうなので、ここで耐えて虎視眈々と準備できれば、オリジナルで素敵な未来が待っているかもしれないっていう考え方もできます。

原:うん。短期的にみたら、安全そうな方、居心地の良い方に行くのが人間の性ですもんね。落ち込んでいてもしょうがないので、個人で生き抜くための修行期間として割り切るしかないよね。その頑張りは、どの道を行くことになったとしても役に立つはずです。

もはや、コロナなんて関係ない

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原:むしろコロナなんて関係ないとも思うんです。今の20代なんて、これからもっと様々なリスクにさらされる可能性が高い。そういう意味では、コロナは一つの学びの機会でしかないですよね。辛いか辛くないかではなくて、辛いのは前提で、それをどう捉えて活かすか。

野中:間違いないですね。

原:何度でも立ち上がれるしなやかな強さを身につけることが大事です。例えば、南スーダンの難民の人たちは戦争でボロボロになって、コロナ以前から大きなリスクにずっとさらされているけれど、その度に立ち上がって木で教会や学校を作ったり、助けあったり、彼らの立ち上がる力は日本人も見習うべきところがあります。

野中:倒れない強さではなくて、何度でも立ち上がるスキルや知恵、柔軟性の方がこれからの時代を生きていくのには大事だってことですよね。

原:経験上、難民のように過酷な状況に置かれながらも強く生きる人たちの姿を見てきたからこそ、僕も何度でも立ち上がることが今できているんだと思う。野中さんは留学に行けなかった人たちも含めて、立ち上がろうとしている人に伝えたいことって何かありますか。

野中:立ち上がろうとするときに、仲間や理解者が周りにいることはとても重要だと思います。孤独だと、きつい。あとは、立ち上がってやるべきことが見えていても、モチベーションの維持がかなり難しいと思うんですよね。そこで鍵になると思うのが、自分に合う仲間を見つけることと発信するということですね。

原:確かに。最近はオンラインで所属できるコミュニティが増えたので、そういった場所でどのように上手く人間関係を構築するかということはこれから大事かもしれませんね。野中さんの英語コミュニティもそういった考えが反映されていますよね。

野中:ありがとうございます(笑)。英語に関わらず、学習は孤独なので、同じ境遇の方達が集まって情報交換や支え合いができる場所があることは重要だと思います。ただ、そういったサービスが乱立してきているので、「質の高いコミュニティなのか」や「自分に合っているのか」ということは、原さんのいうように情報を精査する必要があります。

原:とにかく、まだまだ厳しい状況は続くと思うので、何度でも立ち直るしなやかさと、共に頑張る仲間や理解者を見つけて、自分を発信していくことが大事だということですね。

−  野中:まとめてくれた(笑)。そういうことです!ありがとうございました。

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