今回はSocial留学のアドバイザーである石井士さんにこれまでの人生を回顧して頂き、何を想い、そしてご自身にどんな変化があったのか。赤裸々に記して頂きました。
石井さんは新卒で現地NGOに就職し、フィリピンに駐在されました。
その後もNGO機関で約10年間活動されたのち、自身の想いを形にするために
NPO法人Home for Hopeを立ち上げられました。
そんな石井さんの貴重な「経験と想い」をぜひご覧ください。
「貧しいけど、みんな笑顔で幸せそう」
日本からフィリピンに来た多くの人たちがそう口にするし、まだフィリピンに来たことない人もそういう言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
実際に「自分が幸せだと思うか?」という質問に対して93%の人が「とても幸せ」あるいは「まぁまぁ幸せ」と答えたというデータもあり、フィリピンの人たちは確かに貧しくとも幸せに生きています。
僕自身、14年前に初めてフィリピンを訪れたときそんなフィリピンの人たちの声を耳にしました。
川沿いのスラムで生活する人。
ゴミ捨て場で働き生計をたてる人。
「生活は大変だけど、日々幸せだよ。」とみんな笑顔で口をそろえていました。
また路上にいる子どもたちがボロボロの格好をしてるのにも関わらず笑顔で楽しそうにしている姿を見て、衝撃を受けたのも覚えています。
いままで自分が考えていた「幸せ」は、実は作られた価値観なんじゃないかと思い知らされました。
なぜフィリピンの人たちは幸せなのか?
フィリピンの人たちが貧しくてもなぜ幸せなのか?考えるなかで、彼らは「幸せ」を人との比較ではなく自分のものさしではかっていることに気づきました。
お金はないし、限られたものしか持ってないけれど自分の人生において本当に大切なものを知っている。
それは多くの場合「家族と日々をともにすること」。
ときに問題にぶつかっても、将来に不安があっても
問題について頭を悩ませるのではなく、未来にある不安に憂うではなく、そういうものはわすれていま目の前にある(神様が与えてくれた)幸せに感謝する。
だからフィリピンの人たちはいつもHappyだし、フィリピンの人たちといると自分も嫌なことをわすれて日々楽しく前向きになれる。パワーをもらえる。
「現実逃避」とも揶揄されがちですが、人生に問題があるのも現実なら、幸せがあるのも現実。どちらによりフォーカスするかという話だと思います。
フィリピンに来てなかったらきっと今とは違う人生を生きていた。
フィリピンで日本とは違う価値観にふれて生活していると「自分にとって幸せとはなんなのか?不安に頭を悩ませるのでなく、自分の人生にとって大切なものはこれなんだと思えるようなものってなんだろう?」
そんなことをよく考えるようになりました。
自分の人生と向き合う時間が増えると、日本社会で一般化された成功の価値観から離れて「自分はどう生きていきたいか?」を大事にするようになりました。
気がつけば、自分の給料も気にせず10年以上フィリピンに関わり国際協力を仕事にしています。
フィリピンの人たちのようにいつも両手を挙げて幸せとまでは言えないですが、自分の人生を歩んでるなという実感を持って日々を過ごしています。
いまフィリピンで仕事をしているのも、後悔しない生き方ができているのもフィリピンの人たちの出会いがあったからこそだし、もしフィリピンに来てなかったら全く違う人生を生きていたんだろうなと思います。
是非みなさんもフィリピンに来て、ここに生きる人たちの心に触れ合って、自分の人生と向き合ってみてください!