緊急事態宣言の中、フリーランス国際協力師と若き経営者は何を思う

原さん対談アイキャッチ 国際協力

フリーランス国際協力師こと原貫太氏とSocial留学代表の野中柊平による定期対談企画の第5弾。

めまぐるしい技術革新やウイルスの脅威など、この激動の時代に求められる働き方について現状を踏まえ、話し合ってもらいました。

緊急事態宣言中のフリーランスと経営者の本音

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 夜の対談で眠そうな野中氏

原:よろしくお願いします。最近はどんな感じですか?件の新型ウイルスで、企業はとても大変だと思うけど。

野中:本当にやばいですよ〜。売り上げが全く無いことに加え、留学事業は国内の収束だけで事業再開というわけにはいきません。正直にいうと、全く先が見えない。提携している現地のソーシャルセクターの状態も心配です。

原:確かに。しかも、留学はあらかじめ計画してから渡航する人がほとんどだから、仮に経済活動が再開しても利益がすぐに出るようなビジネスじゃないよね。そこまでの期間を想定すると、普段どおりに仕事ができるのって、随分と先の話になりますね。

野中:そうなんです。前回の対談で、起業やフリーランスという働き方そのものがリスクなのではなく、どんな立場でも何かが起こった時に、それを自分でコントロールできないことがリスクだよねって話になったの覚えてますか。

原:覚えてます。

野中:その意見は変わらないけど、今回のような世界的な変化が起きた時に、その影響を真っ先に受けるのは僕らみたいな形で動いている人間だなっていうことを、今は身をもって強く感じてますね。

原:確かに。僕が痛感しているのは、なんだかんだ言っても、こういった状況下では体力や精神力がやっぱり大事なんだなってこと。もし自分がフリーランスじゃなくて従業員を抱えている経営者だったら、今ごろ精神をやられていた気がする。

野中:ただ、思い出すのは東日本大震災で感じた無力感なんですよ。当時、高校生で守られた立場だった自分にできたことは、必死に勉強することぐらいだった。今回は「この状況だからこそ自分にやれる事はないか」っていう考え方ができているし、その環境にいることは自分にとっては意味があることだと感じてます。もし今回も、影響がまだ比較的に少ない守られた立場にいたとしたら、あの時と同じ気持ちになったかも知れない。

原:リスクに晒された時に、自分に状況を打破するための責任と権限がないっていう意味では、そうかも知れないね。僕は、リスクに晒されることは必ずしも悪いことではないと思う。リスクに晒されているからこそ生まれるイノベーションも確かにありますからね。

今だからこそ、できること

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原さん楽しそう。

野中:試されている感じはするよね。この状況だからこそ考えられることとは何か。この新型ウイルスの一件で実際にそういうことってありましたか?

原:うん。国際協力って本来は海外に行かなきゃ出来ないような活動だったけど、そこに実際に制限がかかったからこそ生まれたアイディアはありました。この状況だからこそ、お金を生み出すだけじゃなく、社会に機会を生み出すための試みとか。

野中:それは具体的にどんなことですか?

原:自分の場合は、すでに持っている影響力をいかに活かすかということですね。Facebookライブで、現地に残っている人と対談して寄付を呼びかけて現地にまわしてます。直接的な活動ではないけど、日本にいながらでも影響力を身に付けることさえできれば、現地に対してほぼ直接的に貢献できる方法はあるっていうことを見つけたし、実行できていると思う。

野中:なるほど。影響力を活かして、みんなが現地の現状を知る機会や寄付できる機会を作ってるんですね。

原:何かトライしてる?

野中:この状況だからこそ生まれた施策でいうと、自宅にいる時間の増えた人向けに、英語を切り口にした教育コミュニティを用意しているところです。

原:柔軟ですね。外出自粛ムードから、オンラインでの発信や交流の流れが爆発的に増えて、逆にもうオンラインでのオープンな状況にみんなが疲れてきてるから、これからはオンラインもある程度クローズドな方向に向かう気がしますね。

野中:そうですね。きちんと関係を築くことができるオンラインコミュニティを持っておけば、その後の展開にも移りやすいしね。

原:僕自身もオンラインイベント等で完全に開かれているところで顔を出して話すより、クローズドなところで話す方が心地良いって感じてる。最近になって僕のオンラインコミュニティの人数が大きく増えたのも、その影響はあると思う

二人が考える、これからの働き方

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最後は真剣に議論

野中:あと今回思ったのは、もう変わったこともたくさんあるけど、これからの働き方はまだまだ大きく変わりますね。

原:収入源を多様化して、リスクを分散することの大切さが浮き彫りになったと思います。実際に僕は、今回の状況になる前にベーシックインカム的に入ってくる収入をオンラインサロンやブログで用意できていたことが大きかった。

野中:特にフリーランスは複数の収入源を確保するって大事だよね。うちは企業としてそこが準備できる前に今回のことが起こってしまったな、という感じではあるかな。

原:起業する人にとっても、副業をしながら起業することが可能な時代になりましたね。ケニアで従業員を五十人ほど抱えて日本食レストランを経営している知人がいて、YoutubeでチェカTVっていうチャンネルもやっているんです。そのチャンネルは、数ヶ月前に動画がバズって一気に数万人単位で登録者が増えたんですよ。それが功を奏して、今はYouTubeからの収入や視聴者からの寄付を使いながら現地のビジネスを支えている、なんてエピソードもあります。

野中:Social留学で提携しているドリームハックっていうNPO法人代表の菅さんって方も、新卒でマーケティングの会社に入って、途中から業務委託にしてもらうように会社に直談判して、現在は並行してNPO法人を運営してます。ひと昔前までは「中途半端」と言われかねないような働き方も、今はそうじゃない。

原:うん。リスクヘッジになるのはもちろんだし、むしろ片方で学んだことや作ったものを、もう片方で活かすことができる。総合的に考えると相乗効果で良い結果になることの方が多いよね。僕の知人にもそういう働き方の人が結構います。

野中:10年前にはできなかった働き方ができるようになってきたし、そういう人がまだまだ増えていきますね。むしろ、そういう多方面でのフレキシブルな働き方がこれからの働き方なのかも知れません。

原:僕自身も、今の活動を続けながら、どこかのNGOでインターンしたり、緩く働ける会社に入って並行的に動くこともありだと考えているくらいですから。まぁ、今のところやるつもりはないけどね(笑)

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