皆さまこんにちは。Cordillera green network のインターンの高橋侑也です。
Cordillera green network はルソン島北部の山岳地帯コーディリエラを中心として活動している環境NGOで、事務所はコーディリエラ地方の中心地バギオにあります。
バギオと太平洋戦争
私たちが拠点を置いている街 バギオは太平洋戦争と非常にゆかりの深い街なのだそうです。
戦争前、マニラからバギオまでを繋ぐケノンロード(当時はベンゲット道路と呼ばれていました)の建設の労働者の中には多くの日本からやってきた人々がいました。戦前のバギオでは日本人、アメリカ人、中国人そして現地の山岳民族をはじめとしたフィリピン人が共存していたと言われています。
1941年12月8日真珠湾攻撃と日を同じくしてバギオで日本軍によるフィリピンでの戦争がはじまりました。
そして1945年9月3日フィリピンで最後までアメリカ・フィリピン軍に抵抗していた山下奉文大将が降伏文書に調印したのもここバギオでした。
平和の塔との出会い
先日バギオの戦没者慰霊碑を訪問していたところ、道路を挟んで向かい側に石造のモニュメントの先端が見えました。
「何だろう」
そう思った私がそのモニュメントに近づいてみるとそこには落書きで覆われた碑の真ん中に日本語で
“平和の塔”と書かれていました。
落書きには心無い内容のものも見られる。
私はこのモニュメントについて調べてみることにしました。
するとこのモニュメントは、日本とフィリピンのライオンズクラブが1970年代に平洋戦争の記念として建造したものだったようで、20年ほど前まではライオンズクラブが管理していた物でした。
現在はバギオ市の公園課が管理しているものの予算等の関係で管理が行き届かなくなってしまっていたそうです。
この平和の塔をこのまま朽ち果てさせてしまってはもったいないと感じた私は、8月10日にこの塔を清掃し、平和を祈るアートパフォーマンスを行うことにしました。
プロジェクト名の”Ibalik Sa Dati”とはタガログ語で“再建”、“元に戻す”という意味がありますこのプロジェクトを通じて平和の塔を元通りきれいにし、平和への思いを再建できるようにという願いから名づけました。
イベントの協力者達
早速平和の塔の清掃とパフォーマンスのイベントを提案する内容のフェイスブックの投稿をすると現地バギオをはじめとした多くのフィリピン人から参加や寄付の表明がありました。
バギオから遠いバタンガスからも清掃道具の支援があった。
また、バギオ市の公園課やバギオライオンズクラブなど平和の塔の設置をしていた団体からも協力していただけることになりました。
さらにバギオ在住のアーティストもイベントでパフォーマンスに参加表明が。
8月10日の台風
イベント当日の8月10日、台風10号の影響によるあいにくの雨により清掃のイベントは延期することに。
しかし、日本からダンサーのJun Amantoが来比、そこで彼と当日嵐の中でも参加できるアーティストがパフォーマンスをすることに。
「今回のパフォーマンスは多くの観客は見込めないかもしれないけれど、平和への祈りの
表現としてパフォーマンスするよ」
アーティストたちは皆そう言ってパフォーマンスしに来てくれました。
少ない観客の前でも迫力のパフォーマンスをみせてくれたアーティスト達
平和の塔の清掃
平和の塔のためのパフォーマンスはアーティスト達や見物に来てくださった皆さんによってささやかながら成功裏に終わりました。
しかし、この企画は平和の塔の清掃をしてはじめて完成します。
延期になった清掃イベントは8月26日。お昼には地元の高校生が山岳地帯の伝統舞踊を披露してくれます。
皆さんのご参加お待ちしています。
イベント概要
【場所】
Tower of Peace
Gov. Pack Road 2600 Baguio City
【日時】
8月26日(月)9:00-17:00
*清掃の進行具合によって終了時間の変更の可能性あり
【日程】
9:00 集合
9:30 清掃開始
12:00 昼食・パフォーマンス
14:00 清掃再開
17:00 終了
【持ち物】
雑巾、手袋、マスク、昼食(みんなで持ち寄って食べましょう)、水