活動理念
・貧困に苦しむ人々が、自己の能力の発見、向上を通して、自信と希望をもち、生活の向上を果たしていくための具体的支援を行うこと。
・貧困・格差の問題に関する理解を深め、公正な社会をめざし地域・職場・学校で活躍する人材を育てるための啓発および研修事業を行うこと。
活動背景
1994年夏、フィリピンへのスタディーツアーで、二人の女性が出会いました。
二人はパヤタス地区でホームステイを体験し、ゴミ拾いをして働く人たちの暮らしの厳しさや子どもたちが遭遇する辛い現実について知りました。同時に、住民の笑顔とやさしさに触れました。そして、幼稚園を卒園しても、小学校に通う学費が出せないため、せっかく文字を覚えた子どもたちが学校ではなごみ山に行って働かなくてはいけないことを知りました。二人は幼稚園を卒園する19名の子どもたちのために、周囲によびかけひとりひとりの子にスポンサーを見つけました。
「19人の子どもたちを学校に」二人のささやかな活動から、ソルト・パヤタスがはじまりました。
活動内容
フィリピンマニラ首都圏北東部ケソン市パヤタス地区、リサール州市カシグラハン地区にて、「子どもに選択肢のある社会」の実現を目指し、以下の3つの事業を実施しています。
① 子どもエンパワメント事業
(奨学金支援、ライフスキル教育、子ども図書館運営、出生証明取得支援)
② 女性エンパワメント事業
(刺繍製品の生産・販売を通しての収入向上支援、女性住民組織の組織化)
③ 現地体験・啓発事業
(イベントの開催・講演活動・スタディーツアーの実施)
設立のきっかけとなった奨学金支援では、261名の子どもの就学を実現してきました。2010年からは経済的な支援に加えて、子どもの自尊心や夢を描く力を高めるライフスキル教育を展開しています。パヤタスとカシグラハンにそれぞれ図書館を建設し、地域の住民や専門家と連携してライフスキル教育を実践しています。
女性エンパワメント事業は2000年に女性の収入向上事業として始まりました。パヤタスで女性の刺繍の生産・販売団体である「LIKHA」を立ち上げ、カシグラハンでは女性と子どもの権利を守るための団体「KAISA」を立ち上げました。
啓発事業では年間約250名のスタディーツアー、日本国内の大学や高校での講演活動などを通じて、貧困問題について広く市民の皆さまに知って頂く活動をしています。