世界の社会問題をマッチングで解決する #value!の日本イベントレポート

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今回の記事は、Social留学がサービスを発表した初期段階から協業させて頂いている団体#value!の説明会『【SDGs×社会起業家】協業して、社会をかえる』の参加レポート。

#value!は2018年に誕生し、これまでのイベント参加者・サービス利用者は200人、マッチング実績はカンボジア人社会起業家と日系企業・個人を中心に25組に達している。現在は任意団体で、年内に登記予定。

#value!代表原畑氏のインタビュー記事はこちらから。

 なぜ今、マッチングや協業なのか。

value イベント

#value!は、世界の社会起業家と法人や個人をマッチングすることよって、社会問題解決を目指すプラットホーム。法人や個人が、社会問題に取り組んでいる現地の社会起業家を知り、さまざまな形で応援、協業できる仕組みだ。

そしてSocial留学は留学希望者が、語学学校を選ぶのと併せて現地のNPOやNGO、社会的企業などの組織(ソーシャルセクター)を知り、マッチングすることを可能にしたプラットホームである。その上で、提携しているソーシャルセクターには留学事業で発生した売り上げが寄付される仕組みだ。

両者は、あらゆるモノ・コトが飽和状態にある今だからこそ、あえて0から作り出すことはせず、既存の組織やサービス、人をつなぐ役目を果たすことを選んだといえる。その役目として独自のプラットホームを提供し、各々のもつ価値や需要を国境や業種を超えて最適化、最大化することに挑戦している。

#value!の説明会スタート!

はじめに創設者のハラハタミオさんのご挨拶から。

特技が勢いというハラハタさん。独特の語り口はこの日も健在で、和やかな雰囲気でイベントは開始した。

毎度、資料などで彼女の名前がカタカナ表記なのは、単純に覚えやすいからなのか、他に理由があるからなのか、次回お会いした際には必ず聞こうと思う。

なぜ#value!を作ったのか

ハラハタさんがまず語るのは「なぜ#value!を作ったのか」について。

ハラハタさんは自身が活動する中で多くの社会問題に直面し、やるせない気持ちになっていたときに、現地で奮闘する社会起業家に出会ったという。その原体験をもとに「自分では解決できない社会問題を彼らに解決してもらうことにより、つくりたい社会が作れると信じ、社会起業家を応援するプラットホームをつくった。」とのこと。

ロゴの#value!は、エクセルを使ったときに入力エラーを表すもので「既存の値がない」という意味を持つ。周囲に「お前には無理だ」と言われているところから奮闘して、新しい価値を生み出していく人たちを応援できるものを作りたいという気持ちから生まれた名前だという。

#value!の目指すところ

ビジョン世界にある全ての社会問題をマッチングにより解決する。
ミッション社会をかえるマッチングを一つでも多く生み出す。

#value!が提携する現地社会起業家が取り組む事業は、医療、福祉、環境、モノづくり、インフラ、交通、教育、芸術など多岐にわたる。

たしかに、これだけ多様な事業を、それぞれの分野で秀でた技術やノウハウをもつ企業や個人とマッチングすることによって協業し最適化していけば、社会問題の解決に大きな役割を果たすのではないかとワクワクする。

現地情報収集のための有料トークサービス(現地社会起業家とマッチングしたい企業や個人が直接、#value!の紹介のもと話すことができる。)や #value!がサポートに入る、現地社会起業家と日系企業との合同プロジェクトなど、一つひとつのマッチングに合う形で柔軟にプロジェクトをデザインしているらしい。ここが#value!のキャッシュポイントであり、ただのつなぎ役ではおわらない#value!の存在意義を生んでいるポイントでもある。

現地社会起業家とマッチングすることでSDGsが達成できる?!

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SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載がある2030年までの国際目標。持続可能な世界を実現するために、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っていて、SDGsは発展途上国のみならず先進国自身が取り組むべきものであるとされている。

上記から、発展途上国で社会問題に取り組む現地起業家を企業や個人が協業、応援することはSDGsに取り組むことと同義だとハラハタさんは話す。

また、国連から投資家にむけ、投資家は企業への投資をする際に財務情報だけではなく、環境や社会への責任を果たしているか否かを重視して投資するべきだという提言がなされたため、企業の生存戦略的な側面においても、発展途上国の現地起業家や取り組みを支援することは今後、当然の流れになっていくだろう。

#value!と協業している社会起業家たち

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次に、実際に提携している現地起業家たちの活動と現地からの声を動画にて紹介。

村の女性たちに雇用と現金収入を作ることを目的としてエシカルブランド立ち上げたチョムナム氏や、N G Oでの医療活動に課題を感じて、医療にこそビジネスの仕組みが必要だという考えから在宅介護ビジネスを立ち上げた女性の話があった。チョムナム氏が真っ直ぐな目で語る「私には夢がある。それは、カンボジアのコミュニティとカンボジア人に対して貢献すること。」という言葉には、純粋な気持ちがひしひしと感じられた。

現地の問題や困っている人たちの気持ちを理解している現地の人間が問題解決に取り組むというところに、外発的支援の限界が叫ばれる中で、魅力と希望を感じずにはいられなかった。

日本企業がマッチング!SDGs達成への着実な一歩。

次にマイクをバトンタッチし、日本企業が#value!を使って現地起業家とマッチングした事例について、大塚実業株式会社の大塚社長ご本人から紹介があった。

現地の水道会社とマッチングの話が進んでおり、行政の手の届いていない地域の支援を目標にしているとのこと。お子様が難病を克服した経験とそこから得た教訓があり、それを社会に還元するために行動に移していく中で、カンボジアの情報メディアNyoNyumで#value!の存在を知ったという。

実際に日本企業と現地の企業が話し合いに入っている進行系のプロジェクトを、肌で感じることができたこの時間は、当日の中で最も会場に熱量と一体感が漂った瞬間だったと思う。社長の話のあとには、マイクが戻ってきたハラハタさんが「社長の単独公演の方が良かったかも、、、」と笑いを誘った。

#value!の特徴

SDGsやこれからの世の中の流れの説明ののちに、具体的な事例を現地社会起業家と日本企業の2つの側面から紹介した上で、改めて#value!の特徴の紹介へ。


・本質的な社会問題解決に取り組む起業家のみを紹介

・最適な社会起業家とマッチング

・現地の本質的なニーズを把握できる

・持続可能性のあるプロジェクトを企画・提案

・現地駐在スタッフによるサポート

・独自メディアを展開

冒頭のビジョンが、この日説明されてきた想いや、理由、事例など重なって最後の特徴の羅列がスッと入ってくる。

#value!イベント後の懇親会

当日の締め括りである懇親会は、希望者だけで実施された。1人ずつ自己紹介をした後に、自由な意見交換がはじまる。就活前後の学生も数名参加しており、感想を聞くと「仕事や就職に対しての視野が広がった!」と楽しそうに語っていたのが印象的だった。

カンボジア関連の方の割合が多く、現在はフィリピンの比重が大きいSocial留学にとっては、同じ東南アジアで活動している企業やフリーランスと東京で関われたことは、今回のイベントに参加した一つの大きな収穫だったといえる。

#value!日本イベントの感想

#value!が目指していることが改めて確認できたとともに、冒頭にもあったようになぜ今、マッチングなのかという自分たちの存在意義を改めて問う時間になった。また、ここに書くことはできないが、今後の#value!との協業にも新しい案が生まれた、実に有意義なイベントだった。

#value!代表ハラハタさんのコメント

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#value!にとって、イベントは、みなさんの声を聞かせていただいたり、現地の社会起業家さんの声を届ける大切な機会になっています。

今後も定期的に日本でイベントを開催いたしますので、ぜひぜひみなさま、ご参加ください!

また海外の現地の社会起業家の活動について知りたい方ぜひぜひ#value!のHPをのぞいてみてください;))

ソーシャルマッチ (Social Match)
「東南アジア×SDGs」ビジネスとSDGsの両立を実現
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